
オンプレミス型のサーバーや他のクラウドサーバーと、awsでは異なる部分があります。それが運用方法です。awsはシステムが特殊であるため、運用のポイントを知っておく必要があるでしょう。
そこで今回は初心者がawsを上手に運用するための重要なポイントについて紹介していきます。
このポイントを知っておくことで、awsで悩むシーンが少なくなります。
awsの運用設計フェーズの基本を知ってシステムを安定稼働させよう
サーバーを構築する前の準備が重要
サーバーを構築する前に、「どのようなサポートを必要としているのか」を明確化し、纏めておくことが重要になります。どんなサポートが必要なのかという整理を行わずに、サーバー構築を始めてしまうと作業効率が悪くなるでしょう。
できるだけ早くサーバーを構築したい人は、サーバーを構築する前に準備を行いましょう。「インスタンスの整理」や「どのレベルのセキュリティーを要求するのか」といった部分のサポートを必要としているケースが多いと言えます。
ネットワークの構成や各種の設定項目に関するサポートも必要になることが多いでしょう。これらの自分が必要とするサポートの種類をチェックリストに纏めておくことで、サーバー構築の作業効率がアップします。
awsの分散配置システムは利用しよう
awsはロケーションの分散配置が行えるというメリットがあります。awsは世界各地にロケーションがあるため、国内だけでなく海外にもホスティングすることが可能です。このサービスを知らずに1つの場所だけでホストを行っているのは良くないと言えます。
例えばインスタンスを1つの場所に集中して配置してしまうと、サーバー障害が発生した際に、全てのインスタンスが利用できなくなります。全てのインスタンスが利用できなくなると、仕事を進められなくなるケースもあるため、IT系の企業にとっては大ダメージでしょう。
このようなリスクを回避するために様々なロケーションにインスタンスの分散配置を行うようにしましょう。特に仕事を進めるのに重要なデータは、複数のロケーションに配置するのが効果的です。1つのロケーションでサーバー障害が発生しても別のロケーションにある重要データを同期することで、作業効率を下げることなく仕事を進めていけるでしょう。
このロケーションの分散配置が上手くいっているかを判断するために、実際に障害を発生させて実験しておくのも重要なポイントです。実験を行っていないと、実際に障害が発生した際に重要データが残されているのかを確認できません。
上手く運用できていなくて重要データが消えてしまったという状況になってはいけないので、この実験は行っておきましょう。仮に重要データが保存されていなかった場合はサーバー構築に何らかの問題がある可能性が考えられるので、その点もチェックしておくのが良いと言えます。
awsのバックアップシステムは特殊
他のサーバーでは自動的にバックアップを取ってくれるケースが多いです。そのためawsを初めて利用する人は、勝手にバックアップを取ってもらえるものだと考えている場合が多いでしょう。問題が発生してしまってからバックアップの確認を行っているようでは遅いので、サーバー構築した後すぐにバックアップの設定を行っておくのが重要なポイントになります。
バックアップの設定方法は簡単です。まずawsの管理画面からAmazon EC2とElastic Load Balancingを組み合わせる作業を行います。次にAmazon Machine Imageという仮想マシンを作成すれば完成です。
この作業を行っておくことで、awsでもバックアップを取れるようになります。バックアップを取れるようにしておくことで、作業中にサーバー障害が発生してしまっても作業データを復元できるようになるでしょう。
死活監視の設定も手動で行う

サーバーの停止や遅延といった異常事態の発生は自分では気づきにくいという問題があります。この問題を解決してくれるのが、死活監視というシステムになります。他のサーバーでは、この死活監視のシステムも自動的に機能するようになっています。
しかし、awsでは死活監視のシステムを自動的に機能させるサービスは行っていません。そのため他のサーバーと同じような感覚でawsを利用すると、死活監視を使っていない状態で運用を始めてしまうケースが多いです。
その結果、サーバーの停止や遅延といった異常事態に気付くのが遅れて作業効率が悪くなってしまうでしょう。サーバーの停止や遅延を回復させることに遅れてしまうと、ユーザーからのクレームが入り、信頼度が下がる可能性もあります。
このようなミスを回避するためにも、awsでサーバーを構築したら死活監視のシステムを自分で導入するようにしましょう。
死活監視のシステムを導入するには、Amazon CloudWatchを使用してアラートを飛ばすように設定すれば良いです。停止時と遅延時でアラートの音を変えておくと、状況が把握しやすくなるでしょう。
セキュリティー対策も自分でやってみよう
他のサーバーではOSやアプリケーションに関するセキュリティー対策も行ってもらえるケースがあります。しかし、awsではインフラ部分のセキュリティ面しか対策を行ってもらえません。そのためOSやアプリケーションにおけるセキュリティ対策は、自分で行わなければならないという問題があります。
awsは利用者が多いので、インターネットで調べていけばセキュリティ対策に関する情報が見つかりやすいです。場合によっては、セキュリティ対策に関するパッチを配信しているサイトもあるでしょう。そのパッチが安全性の高いものであるかをチェックした上で、自分のサーバーに適用するのが良い方法だと言えます。
OSやアプリケーションのセキュリティ面を向上させることができるソフトウェアを探すのも、効果的な作戦でしょう。有料のソフトウェアは無料のソフトウェアよりもセキュリティ面に優れているケースが多いので、予算に余裕のある人はセキュリティ対策のソフトウェアを導入することも検討してみるのが良いでしょう。
awsの新しいサービスに柔軟な対応を心がけよう
awsは短いスパンで新サービスを発表しています。そのため利用できるサービスの幅が広がっているというメリットがあります。しかし、新サービスの導入によって細かい仕様が変更されているケースも珍しくありません。
awsを上手に運用するためには新サービスに素早く対応していき、仕様の変更にも柔軟な対応を心がけておくのが良いと言えます。新サービスには良いものもあるため、上手く活用できればサーバーを改良することが可能になるでしょう。